「伊武さん、ルート外れてます」

2006年12月27日(水)23時00分~23時30分放送の「パーソナルコメディ 伊武さん、ルート外れてます」(NHK総合)を見た。

まず、番組冒頭で断り書き。ドキュメンタリーのように見えるが、ドラマだということだ。俳優の伊武雅刀さんが、本人役で出演している。伊武さん演じる伊武さんのドキュメンタリー番組を制作するため、伊武さんの行動をカメラが追うという内容だ。だから最初にお断りがあるのだろうが、実際は、ドラマというよりコメディーなのだろうけど。

ストーリーのなかの伊武さんが、現在取り組んでいるのが「ナビメーター」というカーナビの声の録音。しかし、「歌舞伎座」に行くよう指示すると、「歌舞伎町」に案内されてしまうこともあるためなのか、本人はあまり乗り気ではない。テレビの「水戸黄門」の出演者を入れ替えるという話をきき、自分は印籠を出す「格さん」になると決めつけてしまい、オーディションにのぞむ。オーディション会場で午後8時44分、まさに「印籠タイム」のこの瞬間に、横内正さんとばったり会う。横内さんは、里見さんのあとの「黄門様」役を狙って、このオーディションに来ていたという。横内さんは初代・格さん。格さんの印籠の出し方などのレクチャーを受ける伊武さん。横内さんは、なんでチャンバラをやったあとに印籠を出すのかいつも疑問に思っていたと言う。先に印籠を出せばチャンバラをしなくてすむのにということだ。格さんしか頭にない伊武さんは、ナビメーターの仕事でも時代劇調にセリフを読み、スタッフ達を困らせてしまう。石坂さんに代役をお願いすると言われても、それでいいんじゃないと、全く関心のない様子。結局、スタッフは、既存の音源から伊武さんの声を拾って合成する方法で制作を進めることに。伊武さんの録音は終了。「水戸黄門」の出演が決まったという連絡を受け、仲間達と祝杯をあげる伊武さん。格さん役と思っていたが勘違いで、実は「坊主」役。番組のエンディングで、坊主役の撮影風景が映っていた。

この番組は、「NHKらしくない」とも言えるし、「NHKらしい」とも言える。「水戸黄門」などと他局の番組のことを取り上げ、出演者のオーディションまでやってしまう。しかも、旬な横内さんを登場させ、主題歌の出だしも歌わせてしまう。一般的なNHKのイメージとはかけ離れている。そういう意味では「NHKらしくない」と言える。それでは、民放のテレビ局がこのような番組を作って放送できるか。冒険的で実験的。企画意図は何か、スポンサーがつくのかなどを考えてみると、BSやCSなら分かるが、地上波では難しいのではないかと思ってしまう。こういう番組を23時台に地上波でやってしまうというのは、NHKくらいしかないのではなかろうか。そういった意味で「NHKらしい」と言える。
ところで、この番組は単発ものなのか、連続ものなのか。それさえも分からない。伊武さんのことだから、いくら続編を作っても、面白いようにルートを外れてくれることだろう。期待している。番組サイトを見ると、あと3回は続くような気配。

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