山田芳裕作品について

2008年6月24日(火)24時00分~24時55分放送の「BSマンガ夜話」(NHK BS2)で、山田芳裕作「へうげもの」がとりあげられた。番組では、視聴者から寄せられたFAXやメールなどを紹介するが、最初の方で自分のメッセージが紹介された。そのため、投稿を気にせず、落ち着いて番組を見ることができた。

「へうげもの」に限らず、山田作品には共通した特徴がある。番組の中でも触れられていたが、特徴を3つあげるとすると、「対比」、「デフォルメ」、「オノマトメ(擬声語・擬態語)」だ。まず「対比」だが、主人公とは対照的な登場人物が必ず登場する。同じ目標の人物同士だが、その目的や性格が相反し、一見、対立するようにも見えるが、主人公はそんなことはどうでもよいように目標を達成するというストーリーが多い。また、静に対して動、白に対して黒など、コマの描き方にも「対比」の手法を用いている。次に、「デフォルメ」。2ページ見開きの大ゴマで、瞬間をとらえた静止画を細かいところまで描画することがよくある。体などの一部分が非常に誇張され、ありえない立体感・遠近感を醸し出している。そして「オノマトメ」。さまざまな擬声語や擬態語を用いているのは、どの作品を見ても、すぐに分かるはずだ。

以上が山田作品の主な特徴であるが、面白いところは、そこだけではない。わりとベタなギャグが多いのが、そのひとつだ。例えば、登場人物が有名人のそっくりさんだったりする。ただ顔が似ているだけでなく、セリフも本人と同じようなことを言わせている。そのため、これは誰がモデルなのか分かりやすい。また、モデルとなる人も、著名な有名人だけではなく、学校の先生とか、作者の身近な人もモデルにしている。しかも、ほぼそのまま表現している。そのため、分かる人には分かるという場面もいくつかある。
ギャグがベタである一方、とりあげるテーマは結構変わっている。ほかのマンガ家があまり扱わないようなテーマをとりあげている。主人公も極端に「こだわり」があったり、極端に「まっすぐ」だったりする。だが、そんな異質なテーマでも、順を追って読んでいくと、分かりやすく解説していて、そう難しいことではない。その点の描写はうまい。
異質なテーマにベタなギャグ。テーマの設定でマニアックな読者を引き寄せ、ベタなギャグで読者を離さないようにしているように思える。

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