「ビスケット」を推理する

NHK総合テレビで放送中の「探偵Xからの挑戦状!」。
今週の作品は北村薫さんの「ビスケット」。
推理投稿は締め切られたが、放送日前なので私の推理を披露する。

ケータイ小説を読んで、なんとなく関屋先生が怪しく思える。
あとは、関屋先生が犯人であることを示す証拠を見つければよいわけだが、かなり難しい。

ここで、この小説を読んで感じた違和感を思い出した。
それは人の名前である。
なぜ「関谷」ではなく「関屋」なのか。
なぜ「竹川」ではなく「竹河」なのか。
そこで、「関屋 竹河」でネット検索してみると、答えが出た。
「源氏物語」である。
そういえば、小説中にも「紫式部」とか「光源氏」といった、「源氏物語」を暗示するようなキーワードが出ていた。

「源氏物語」の第16帖が「関屋」で、第44帖が「竹河」である。
ということは、トリリン先生のダイイングメッセージは「44」を表していたのだろうか。
「44」ならそのまま「竹河」だが、これは該当する人物が存在しない。
「44」を「4×4」と読み替えて、「16」すなわち「関屋」で、関屋先生が犯人。
しかし、あのダイイングメッセージは「44」を意味しているのだろうか。

ローマ数字で考えてみても、違う。
ベースボールで考えてみる。審判の指のサイン…、これも違う。
家紋で考えても、やはり違う。
トリリン先生はダジャレも言うので「獅子紋」→「獅子」→「44」と考えてみたが、違うようだ。

トリリン先生は、お香をたいているときに殺害された。
そこで、「香道」について調べてみる。
小説で紹介されたゲームのようなものは「源氏香」と呼ばれるものらしい。
「源氏香」では、5本の線を組み合わせた紋様のような「源氏香の図」が52通りあり、それぞれに「源氏物語」の各帖が名づけられているという。
ここで「源氏物語」ともつながった。
トリリン先生の右手のダイイングメッセージは、人差し指・中指・薬指、真ん中の三本をくっつけている。
そこで、香の図の中で真ん中の三本がつながっているものを探す。
ふたつあった。
ひとつは「竹河」で、もうひとつは「関屋」。
ということで、これで間違いないだろう。

投稿フォームの選択肢には、関屋先生の妻の名前もあった。
「関屋」がふたりいるわけだが、他の大学の教授であるので除外していいだろう。

小説の中で関屋先生が、村岡先生がいないときに、トリリン先生が「M」の字の指文字の話をしている。
これは、ダイイングメッセージを正しく理解させないようにするための嘘である(断定)。
ミスターMは、村岡先生を暗示する。
香の図を理解しているはずの関屋先生が、自分が疑われないようにするために、こじつけたのだろう。
しかし、致命的なミスを犯している。
トリリン先生が「ビスケット」と言ったと説明しているのだ。

トリリン先生はアメリカ人。
イギリスでは「ビスケット」と言っても、アメリカでは「クッキー」と言う。
実際に、村岡先生がアルファベットのビスケットをトリリン先生に見せたときに、トリリン先生は「アルファベット・クッキー」と言っている。
トリリン先生は「クッキー」と言っても、「ビスケット」とは言わないはず。
つまり、関屋先生は嘘を言っていることになる。
最初に関屋先生が怪しいと感じたのは、この「ビスケット」という言葉であった。

このケータイ小説のタイトルは「ビスケット」。
タイトルが表しているのは、「ビスケット」の形ではなく、「ビスケット」という言葉なのであろう。

ということで、明日の放送の正解発表が楽しみ。

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